闘病記録
診療経過
年月日 | 診療経過 |
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平成13年11月20日 | 開業医からの紹介で第二S病院呼吸器外科外来受診。 |
平成13年12月 7日 | 縦隔腫瘍の精査、加療目的で入院。 |
平成13年12月10日 | 縦隔腫瘍のエコー下生検を施行。 |
病理医は確定診断が難しかったため、複数の他施設の病理医に非公式にコンサルトしたうえで、「compatible with invasive thymoma」(浸潤性胸腺腫として矛盾しない病理像)と診断。 | |
平成13年12月18日 | 「compatible with invasive thymoma」と記載された病理診断報告書を見た呼吸器科医は、「浸潤性胸腺腫」と説明。 |
平成13年12月25日 | 化学療法第1コースを開始。 (ADOC、アドリアマイシン40mg/m2,day1: シスプラチン50mg/m2,day1: ビンクリスチン1mg/m2,day3: シクロフォスファミド700mg/m2,day4)。 |
平成14年 1月18日 | 化学療法、第2コース開始。 |
平成14年 2月13日 | 化学療法、第3コース開始。 |
平成14年 3月14日 | 化学療法、第4コース開始。 |
4コース施行後、腫瘍はかなり縮小したが残存はあり、心膜肥厚も残っているため部分寛解と判断。 | |
平成14年 3月21日 | 退院。 |
平成14年 4月19日 | 化学療法後の方針として、手術や放射線照射の追加、あるいは経過観察の方向があることを説明された。医師は手術を勧めたが、根治的手術ではなく化学療法の治療効果を確認するためであることや、より確定診断をするための手術であるため、本人や家族は、5月16日、手術ではなく経過観察を希望した。 |
平成14年 8月30日 | 胸部CT撮影。再発なし。 |
平成14年11月20日 | 胸部CT撮影。明らかな局所再発を認めた |
平成14年11月26日 | 呼吸器科外来受診時、局所再発との説明を受ける。本人と家族は、セカンドオピニオンを求めたいと要望した。 |
平成14年11月28日 | セカンドオピニオンのための紹介状をもらう。 |
平成14年12月 4日 | 2回目の入院。 |
名古屋大学胸部外科(セカンドオピニオン医師)から、再度再検してはどうかとの意見があったため、12月4日の呼吸器科カンファレンスにて検討したが、腫瘍が初診時ほど大きくなく生検に伴う合併症の危険性があることや、前回、化学療法が有効であったことなどの理由により、生検をやり直す意義は薄いと判断した。 | |
平成14年12月 5日 | 再生検の意義は薄いことと、前回同様化学療法を行なう方針との説明を受ける。それを承諾を得たうえで、前回と同様に化学療法再開を決定した。 |
平成14年12月10日 | 化学療法、第1コース開始。 |
平成14年12月27日 | 退院。 |
平成15年 1月 6日 | 3回目の入院。 |
平成15年 1月 7日 | 化学療法、第2コース開始。 |
平成15年 1月24日 | 退院。 |
平成15年 2月10日 | 4回目の入院。 |
平成15年 2月11日 | 化学療法、第3コース開始。 |
平成15年 2月28日 | 退院。 |
平成15年 3月17日 | 5回目の入院。 |
平成15年 3月18日 | 化学療法、第4コース開始。 |
平成15年 3月22日 | 退院。 |
今回も良好な反応が得られ、完全寛解と考えても差し障りないと判断。4コ ース後の追加治療に放射線照射を勧められた。 |
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平成15年 4月10日 | 心臓、縦隔に放射線照射施行。計30Gy照射。 |
平成15年 5月23日 | 呼吸器科外来受診。頭部、腹部などに斑状の皮疹が出現。経過観察とする。 |
平成15年 6月25日 | 当院皮膚科で皮膚生検。診断は「precursor T lymphoblastic lymphoma」(リンパ芽球性リンパ腫)。 平成15年 7月 1日 別の病理医が平成13年12月10日の縦隔腫瘍の生検標本を再検鏡したところ、同様の異型リンパ球浸潤を認めた。「precursor T lymphoblastic lymphoma」は縦隔原発であった可能性高いと評価された。 |
平成15年 7月 4日 | 呼吸器内科外来にて、皮疹は血液疾患の一部で縦隔腫瘍の診断名も変更される可能性あるとの説明を受ける。血液内科受診を勧める。 |
同 日 平成15年 7月 4日 |
血液内科外来受診。骨髄穿刺で骨髄にも浸潤あることが判明。入院予定となる。 |
平成15年 7月16日 | 血液内科に入院(6回目の入院)。末梢血中にも腫瘍細胞出現しており、急性リンパ性白血病に準じて化学療法を開始することとした。 平成15年 7月17日 急性リンパ性白血病としてCALGB8811プロトコールに準じて、化学療法開始。ビンクリスチンによる末梢神経障害が高度で、以後の治療では本薬剤を用いないこととした。 |
平成15年 7月22日 | 本人と家族に対して、血液内科医師(部長)、呼吸器内科医師(部長)、呼吸器内科主治医、病理部医師(部長)から、診断名と治療方法変更に至った経過が説明された。 |
平成15年 8月21日 | 骨髄穿刺にて完全寛解(芽球5%未満)を確認。 |
平成15年12月20日 | 退院。以降外来で化学療法を継続。 |
平成16年 2月18日 | カリニ肺炎を合併し入院(7回目の入院)。ソルメドロール、バクトラミン等により軽快し、3月9日退院。 |
平成16年 4月 7日 | 後期強化療法施行中、口内炎が悪化し入院(8回目の入院)。骨髄抑制からの回復とともに口内炎は軽快。化学療法再開。 |
平成16年 5月29日 | 退院。 |
平成16年 7月30日 | 骨髄再発を確認。 |
平成16年 8月 3日 | 入院(9回目の入院)。 |
8月4日からシトシン・アラビノシド大量、ミトキサントロン、デカドロンにて再寛解導入療法開始。 | |
平成16年 8月30日 | 午前9時32分、永眠。 |